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吉田 泰郎 について

高松の弁護士吉田泰郎です。東芝事件株主弁護団では、事務局長 兼 広報担当をおこなっています。 吉田の詳しい自己紹介ページはこちら

平成29年6月の訴訟の経過

【大阪訴訟】

平成29年6月2日大阪訴訟  午後1時30分から訴訟の期日がありました。

次回の予定としては、原告らから、「虚偽の記載」が存在することについて補充の主張をおこなう予定としています。

この期日において裁判所から「虚偽の記載」の判断基準について重要なことが示されました。

この点について詳しくは6月~7月にかけて発行される弁護団通信にて御連絡したいと思います。

よろしくお願いします。

次回期日  平成29年9月8日 午後1時30分

次々回期日  平成29年12月8日 午後1時30分

【高松訴訟】

平成29年6月5日  高松訴訟 午前10時から訴訟の期日がありました。

次回の予定としては、原告らから、東芝および元役員の主張に対する反論の書面を提出する予定です。

原告の反論は7月末までに提出する予定です。

次回期日 平成29年8月7日 午前10時

次々回期日 平成29年10月20日 午前10時

平成29年3月22日 大阪訴訟に出廷しました。

3月22日 午前11時より、大阪訴訟に出廷しました。

今回は、東芝および元役員らが、有価証券報告書に対する反論をおこなってきました。

内容としては、先日3月21日の東京訴訟の内容と、ほぼ同じ反論です。

次回、弁護団から再反論をおこなうということになりました。

次回期日

平成29年6月2日(金)午後1時30分  新館531号法廷

平成29年9月8日(金)午後1時30分  新館531号法廷

 

平成29年3月21日 東京訴訟に出廷しました。

3月21日 午後3時より、東京訴訟に出廷しました。

今回は、東芝および元役員らが、有価証券報告書に対する反論をおこなってきましたので、

この反論に対して、次回、当方がどのように対応するのか、を検討しました。

次回には、一度、今までの主張を整理し、より詳しく主張するものと、そうでないものを区分けしたほうがよいか、と考えています。

東芝の「債務超過」との報道について

最近の報道では,

「東芝が3月末に債務超過となるようだ」

という観測がされています。

たしかに,債務超過となる可能性が高いのですが,ここで,

「債務超過とは倒産するということか?」

という疑問をもっている方がいましたら,

債務超過したからといって倒産するわけではない

ということを申し上げておきたいと思います。

 

債務超過というのは,あくまで,企業会計上のことです。

東芝がもっている資産(財産)

東芝の負債(借金など)

を比較すると,東芝の負債の方が多いという状態が「債務超過」ということです。

 

ですから,「債務超過」とは「現金が全くない」とか「財産がなくて,すっからかん」ということでは,全くないのです。

 

現金や預金,短期の売掛金のような,すぐに現金化して使うことのできる資産のことを

「流動資産」

といいます。

東芝は2016年11月時点で公表した2016年第2四半期決算で

流動資産を2兆9607億円持っています。

https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/library/er/er2016/q2/ter2016q2.pdf

 

約3兆円くらいの現金預金などをもっているわけです。

 

3兆円持ってて,すぐにつぶれるような会社はありません。

 

もちろん,銀行からの借金も数兆円単位なので,財務状況が良い状態では全くないのですが,すぐに倒産するような状態ではありません。

 

 

実際,債務超過であっても,東芝は3月も社員に給料を支払う予定ですし,4月にも社員に給料を支払う予定です。

 

誰も「4月の給料が出ないのではないか?」という心配はしていません。

 

また,東芝は半導体事業を売却することによって,5月ころには約2兆円程度の現金を取得できる見込みとのことです。

 

半導体事業を予定どおりに売却できれば,債務超過でもなくなりますから,倒産のおそれも当面はなくなります。

 

遠い将来はわかりませんが,少なくとも,5月や6月に倒産するようなことはないとはいえるでしょう。

新規募集の終了時期

東芝事件株主弁護団は、平成27年8月ころから活動を開始して、

東芝の不正会計による被害救済のために、原告を募集していました。

このたび、平成29年3月末までに正式申込のある方を最後に原告の新規募集を終了とします。

これにともない、郵送での資料請求の締め切りも3月15日までとします。

不正会計による被害を受けた方は、早めに申込をお願いします。

東証二部降格による影響について

東芝が東京証券取引所の一部上場から二部上場に降格される可能性が高いのではないか、という報道がされています。

このため、弁護団にも、二部に降格された場合に訴訟は、どのような影響があるのか、というご質問をいただきましたので、この点について弁護団の見解をお伝えします。

 

結論から申しますと、東芝が二部降格となった場合であっても、現在おこなっている損害賠償請求には影響はありません。

したがって、二部降格となった後であっても、現在おこなっている損害賠償の裁判は今までどおり続行します。

 

二部降格によって予測される影響

さて、弁護団がおこなっている裁判には影響はないということはお伝えしましたが、東芝にとっての影響というものは当然発生します。

二部降格にしたことによって東芝には、以下の影響が出る可能性があります。

1 ファンドが東芝株を売却することにより株価が下がる可能性がある。

2 東芝にお金を貸している銀行の態度が冷たくなる可能性がある。

3 東芝の社債の格付けが下がる可能性がある。

 

いずれも東芝にとって良いか悪いかというと、悪い影響の可能性だと思われます。

ただ、東芝は半導体部門を分社化して事業を売却する方針を固めているとのことです。

半導体部門には1・5兆円から2兆円の価値があるということは広く認識されています。

したがって、半導体部門を売却することによって財務体質は改善しますので、「現在のところは」深刻な財政危機ではないと思われます。

 

むしろ、今後、中国での東芝の原発の稼働の問題や、アメリカでの原発事業について追加的な負担が発生しないかどうか、という、「これから」の問題の方がより大きな問題であるようには思います。

東芝の四半期決算発表延期について

東芝が2016年度第3四半期決算発表を延期したことが大きく報道されています。

もっとも、東芝が何も公表しなかったわけではなく、

2016年第3四半期に大幅な赤字を計上したことについては自主的に公表しています。

東芝は「正式な」2016年度第3四半期決算発表を延期した、ということです。

東芝が発表を延期したという背景には、正式な公表をおこなって債務超過であるということを正式に認めてしまうと、銀行からお金を借りている融資契約について、「財務制限条項」に触れてしまう可能性があるから、だと思われます。

「財務制限条項」の実際の内容は秘密になっていますが、通常、銀行が企業に対して巨額の資金を貸し付ける場合には、債務超過になった場合には、融資していたお金を一括返済しなさいという契約になっていることが多いのです。

「債務超過」というのは、会社の資産よりも会社の借金の方が多い状態のことです。

東芝が倒産する可能性があるか?

弁護団には最近「東芝が倒産する可能性はありますか?」という問い合わせの電話が増加しています。

弁護団としては「東芝が今すぐ倒産する可能性は低いです」と回答しています。

その理由は以下のとおりです。

1、半導体事業があるので倒産しない

東芝の半導体事業は、たしかに価値の高い事業であり、1兆5千億円から2兆円の価値があると言われています。

したがって、東芝が半導体事業を全部売却すれば、東芝には2兆円くらいの現金が入ってきます。

現在、東芝は1900億円ほど「債務超過」すなわち、会社の資産よりも借金が多い状態となっているが、2兆円の現金が入ってくれば、「債務超過」の状態はすぐに解消できます。

したがって、「東芝が今すぐ倒産する」という可能性は、ほとんどありません。

2、原子力事業があるので倒産しない

東芝の原子力事業は、日本国の国策のうえで重要な事業です。

東芝が倒産して原子力事業の技術が海外に流出するようなことは、日本国政府も望まないし、アメリカ政府も望みません。

とくに、アメリカにとっても、アメリカ国内にあるウェスティングハウスの原子力事業が危険にさらされたり、技術が外部にもれることは絶対に望みません。

したがって、少なくとも東芝が本当に倒産しそうになった場合には、日本国政府は救済します。

これは、日本国政府のためでもあり、アメリカ政府のためでもあります。

近年、シャープが倒産しそうになったときでさえ、産業再生機構は資本注入して救済しようとしました。

東芝の原子力事業は、シャープの数倍以上、日本国政府にとって重要です。

したがって、東芝は救済される可能性が高いといえます。

東芝が買収された場合は訴訟はどうなるか?

シャープのように、東芝が海外の会社に買収されるという可能性あります。

その場合には、現在おこなっている損害賠償訴訟はどうなるでしょうか?

回答としては「とくに影響を受けない」ということになります。

買収とは、東芝の株式を海外の会社が過半数またはそれ以上に買う、ということです。

東芝の株を誰が買ったとしても、東芝という会社自体はそのまま残ります。

したがって、現在、私たちがおこなっている損害賠償の裁判には、とくに影響はありません。

以上より、結論としては、少なくとも、今現在のところは、損害賠償訴訟の裁判には影響はない、と言えるでしょう。

将来はどうなるか?

さて、「今現在は東芝は倒産する可能性は低い」ということを申し上げましたが、将来どうなるか、ということについてはわかりません。

原子力事業の損害が、いままで分かっている範囲だけで済むのであればよいですが、これから先、さらに損害が出てくるという可能性はあります。

最近に注目されているのは、中国での東芝の原子力事業が不調だという話です。

中国での東芝の原子力事業については、まだ、減損などはされていません。実際に損害が出るようなであれば、あらたな減損ということになるのかもしれません。

 

東芝集団訴訟 高松地裁の審理がありました。

平成29年2月1日 午前10時から,高松地方裁判所にて,東芝集団訴訟(中国四国地方)の審理がありました。

弁護団からは,東芝と元役員の責任原因について,

金融商品取引法,不法行為法にもとづいた法的な主張をおこないました。

次回には,東芝がおこなった「有価証券報告書の虚偽の記載」の特定をおこなう予定となっています。

次回以降の審理の予定。

4月10日 午前10時 高松地方裁判所

6月5日 午前10時 高松地方裁判所

 

「東芝 原発減損7000億円規模に拡大も」との報道について

平成28年末より「東芝のアメリカの子会社の原発の減損が1000億円から5000億円のレベルでされるらしい」という報道がされていました。

今回,いままで発表のあった上限である5000億円を,さらに超過する,7000億円の減損の可能性がある,ということが報道されています。

今のところは,東芝本体から「なぜ5000億や7000億円というレベルの減損がされるのか」という中身については,くわしい話がありませんが,今のところ,とても不思議な話だ,というほかはありません。

もともと,東芝がアメリカの子会社の原発(ウエスティングハウス社)を買収した金額は6000億円のレベルであったはずです。

そのウエスティングハウス社が「完全に価値がゼロ」になってしまったとしても,損失は買収した金額である6000億円が上限となるはずです。

なお,東芝は,平成28年の4月に,ウエスティングハウス社の価値について2600億円の減損が発生した,という会計処理をしています。

ですので,平成28年に減損した2600億円+今回減損する7000億円を足すと,9600億円となります。

つまり,買収した買値全額を超過する減損が発生する可能性がある,という事態のようです。

普通に考えると,とても不思議な話です。

※ この点については,一部の報道では,ウエスティングハウス社が関係する工事の追加費用が計上されたことが原因だということも言われているようです。ただ,東芝本体からの正しい説明がない現在では,何千億円もの追加工事だと突然言われても本当かしら?そもそも,そんな巨額の追加工事のリスクを事前に評価できなかったのか?など,いろんな疑問が出てくることも当然だと思います。

この点については,東芝が2月におこなうという,詳しい説明を待つことになるでしょう。

半導体事業の分社化

ここにきて,東芝が「半導体事業を分社化する」という計画が浮上してきているようです。

これはようするに,ウエスティングハウス社の減損が7000億円とかになってしまうと,東芝の現在の自己資本3600億円を超過してしまって,債務超過になってしまう可能性があるので,債務超過を避けるために,以下のように考えていると思われます。

① 半導体事業を分社して,分社した半導体事業会社の株式を誰かに買ってもらう

② 買ってもらった株式の代金を自己資本にする

③ たとえば,4000億円分の株式を買ってもらえれば,4000億円の現金が東芝に入るので,現在の自己資本3600億円+株式の売却代金4000億円=7600億円の自己資本となる。

④ 7600億円の自己資本になれば,7000億円を減損しても,なお600億円残るので,債務超過にはならない。

という計画だと思います。

ようするに,平成28年に,東芝メディカルを丸ごと売却して,その売却代金でもって,原発の2600億円の減損に耐えましたが,それをもう一回やる,ということです。

不毛なことをしているなあ,というのは,もはや,言うまでもありません。

ところで,東芝メディカルの場合には,「丸ごと売却」ということにしましたが,今回は「分社化」ということであって,丸ごと売却ではありません。

なぜか,ということですが,おそらく,東芝の半導体事業は,東芝メディカルとは比較にならないほどに巨大であるため,東芝の半導体事業を丸ごと買えるような会社は,すぐには見つからない,ということが大きな原因だと思います。

そこで,「丸ごと売却」ではなくて,分社化して株を売るという,「部分的な売却」をするということだと思います。

また,東芝の半導体事業は,まだ有望な事業でありますから,ここで東芝が半導体事業を丸ごと売却してしまったとすれば,東芝には,本当に全く未来がない,ということになりますので,そういう事態は避けたいという考えも,おそらく,あったのでしょう。

「トラブルメーカーの原発事業を売却すればいいではないか」

ということは,誰しも考えることですが,こんな原発事業は,誰も買おうとはしませんので,買いたいという会社がどこにもない,ということで,買手がないから売れない,ということだと思います。

そのかわり,東芝メディカルや半導体事業のように,

「有望な事業なので,いくらでも買手がつく」

という事業が売却されていくことになります。

東芝集団訴訟への影響は?

東芝集団訴訟に,なにか影響があるかどうか,ということですが,現在のところは,集団訴訟に影響はないと考えています。

もちろん,このまま東芝が倒産してしまったら,集団訴訟も続けることができなくなりますが,東芝に対しては,メインバンクが,今のところは,融資を継続すると言っていること,政府系の日本政策投資銀行も支援するような雰囲気であること,から,今すぐ倒産ということはないように思います。

東芝は原発事業をおこなっていますので,政府としては,これを放置して倒産するにまかせるということはないと思います。

トラブルメーカーの原発事業ではありますが,逆に「原発があるから潰せない」という点では,株主の役に,(少しは)たっているのかもしれません。