「東芝、新日本監査法人を提訴せず 不正会計問題で」とのニュース解説

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吉田 泰郎

高松の弁護士吉田泰郎です。東芝事件株主弁護団では、事務局長 兼 広報担当をおこなっています。 吉田の詳しい自己紹介ページはこちら

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東芝が新日本監査法人を提訴しないことにした、というニュース報道がされています。

東芝は、今年の7月ころに、個人株主から
「東芝の不正会計事件の監査が不十分だったために、今回の不正会計事件が発生したのだから、当時の監査法人に、不正会計事件の損害賠償を請求しろ」
という提訴請求通知を受けていました。

この提訴請求通知を受けると、会社法では、60日以内に、
請求通りに提訴するか
提訴しないか
を決定しないといけなくなります。

ですので、今回の報道は、東芝は監査法人を提訴しない、という選択をしました、ということを公表したということです。

なお、今回の東芝の公表資料はこちらから確認できます。

東芝自身の公表資料によれば、
「本件は当社の元経営トップらの関与等に基づき不適切会計が行われたものであり、本件不適切会計処理の一時的責任は当社にあることは否定できません」と言っています。

なるほど、東芝としては、不正会計の責任が自社にあることを、公の場で認めたのですから、今回の訴訟でも、きちんと自社の責任を認めてほしいものです。

東芝のような、立派な会社が、まさか、マスコミの前では自社の責任を認めるが、裁判の場では責任を認めない、というような、
二枚舌
のような対応は、なさらないものと期待しています。

今回、「東芝が監査法人を訴えない」という報道により、東芝が、不正会計の責任は自社にある、というコメントを引き出すことができたことは、集団訴訟の原告にとっては、有利な展開になったと考えています。