「独フォルクスワーゲン集団訴訟は米国方式で」ロイター2016年8月9日

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吉田 泰郎

高松の弁護士吉田泰郎です。東芝事件株主弁護団では、事務局長 兼 広報担当をおこなっています。 吉田の詳しい自己紹介ページはこちら

ロイター社から,フォルクスワーゲン社の集団訴訟に関する報道がされています。

ドイツのフォルクスワーゲン社は,排ガス規制について不正をおこなっていた,ということで,世界規模での集団訴訟の対象とされています。

フォルクスワーゲン社の本社のあるドイツでは,現在,世界中から170個の訴訟が提起されているとのことです。

170個の訴訟を別々におこなうのは,大変ですので,ドイツの裁判所は
「アメリカ方式の集団訴訟の方式で裁判を進める」
という声明を発表したとのことです。

裁判所は,今回の170個の訴訟の中から,代表となる原告を指名し,その原告と,被告であるフォルクスワーゲン社との訴訟の解決をもって,モデルケースとする,ということを考えているようです。

そうすると,裁判所としても,他の原告としても,真剣に裁判をするのは,代表となるモデルケース一件だけとなり,そのモデルケースの裁判の結果を,他の原告に関する裁判にも適用する,ということになるようです。

なお,ドイツの訴訟法は,アメリカのような「クラス・アクション方式」は認めていません。

ですから,本当にアメリカと同じような,大胆な「クラス・アクション方式」をおこなうことは不可能です。

もっとも,ドイツの現行法の範囲内において,「クラス・アクション方式」の良いところを生かすやり方はできるでしょう。

日本の裁判所も,集団訴訟の審理においては,諸外国の良い点を学んで,簡易・迅速な裁判をおこなっていただければ,と思うところです。