「東芝 終わりなき危機「名門」没落の代償」(著 今沢 真)という書籍が,毎日新聞出版社から発売されています。
この書籍の趣旨を一言でいえば,
「東芝は,今でも不正会計の原因となった原子力部門の問題を解決できておらず,社員の関係者に対する懲罰も極めて軽い。経営改革も,形だけととのえたようなものであって,本当に経営改革をしようとする意思に乏しい。これらを考えると,東芝が,これから,本当に再生できるのかは,きわめて疑問である」
ということになります。
私たち東芝事件株主弁護団は,東芝には,株主へのつぐないを十分にしてもらった上で,きちんと再生してほしいという立場です。
ですので,東芝には再生をしてほしいと願っています。
ただ,「再生」をするためには,前非をきちんと悔いて,心を入れ替えるということが必要です。
そのために,東芝は,第三者委員会を開いて,多額の必要をかけて総括をしたはずなのですが,そもそも第三者委員会の追及が「きわめて手ぬるい」ものであり,そういうこともあって,過去の総括は,中途半端なものに終わってしまっているような気がします。
東芝にかぎらず,最近,日本の過去の名門企業が,次々と大きな不祥事を起こし,また,不祥事を隠蔽していたことが明るみに出て,市場から「NO」を突きつけられています。
これは,大きな視点からみれば,日本経済の主役が,過去の「名門」企業から新しい産業,新しいビジネスに転換しようとしていることの,投影なのかもしれません。