証券取引等監視委員会が、東芝の不正会計は違法であったという見解を公表する予定であるというニュース報道がありました。
予定通りに、証券取引等監視委員会が、そういう公表をするのであれば、東芝に対して損害賠償請求をおこなっている私たちにとっては、非常な追い風となります。
今回、証券取引等監視委員会が問題視しているのは、西田氏らが関与したとされている
buy-sell取引(バイ セル とりひき)
という取引です。
これは、東芝が、取引先に対して「来年に、この部品を買い戻すから、今年に買ってくれ」という条件で部品を売って、売上をあげる方法です。
たしかに、今期の売上は上がるわけですが、来期には買い戻さないといけませんから、来期には負担が増えることになります。こんな取引は、会社の健全な売上ではありませんから、無意味な取引です。
こういう取引手法は、ずっと以前から、問題の多い取引手法であるということで、企業会計の現場では、まともな売上ではない、と認識されていました。
ですので、証券取引等監視委員会が、今回の東芝の不正会計について「違法」だという判断をすることは、とても常識的な判断だと思います。
弁護団としては、事態を注意して観察しようと思います。
また、証券取引等監視委員会の判断が出ると、西田氏らに対する刑事責任の追及についても、進む可能性があります。