東芝の一連の粉飾決算事件は,多くの情報が入り乱れていて,最初から注目していないと,混乱するおそれがあります。
この点,毎日新聞出版から平成28年1月30日に発売された,
東芝 不正会計 底なしの闇 著者 今沢真
は,事実関係が端的にまとまっており,読みやすくわかりやすい文体ですので,東芝粉飾決算事件の全体像を把握するためには,とてもよい書籍だと思います。
今回,進行している東芝に対する集団訴訟でも,裁判所に,事実関係の流れを知っていただくために,証拠書類として一冊まるごと提出することも検討しています。
著書でも触れられているとおり,東芝は,ウェスティングハウスの減損の問題をどのように処理するのかという困難な問題に直面しています。
万が一,不正な処理をするようなことがあれば,2015年の有価証券報告書の虚偽記載問題となり,連続して二度目の粉飾決算事件という,人類史上,まったく例のない領域に踏み込むことになります。
細心の注意をもって,決算処理をおこなっていただきたいと思うところです。