「東芝、旧経営陣を提訴へ 歴代3社長らに損害賠償求め」との報道の解説

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吉田泰郎

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高松の弁護士吉田泰郎です。事務局長 兼 広報担当です。 吉田の詳しい自己紹介ページはこちら
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平成27年10月25日、日経新聞などで、東芝が、旧経営陣に対して、損害賠償請求の訴訟を起こす予定、という報道がされました。

これは、以前、平成27年9月に、奈良県の個人株主の方が、東芝に対して「違法な粉飾決算を主導した旧経営陣に対して、損害賠償請求をするように」請求をしたことを受けての、東芝の判断です。

ただ、今回の東芝の判断が正しいのかどうか、というと、疑問の余地が大きいと思います。

まず、今回、東芝は、旧経営陣のうち、代表者を経験したことのある、3名に対してだけ、損害賠償請求を行おうとしているようです。

しかしながら、その他の取締役、監査役の責任が全く追求されない、というのでは、十分ではありません。

奈良の個人株主の方は、もともと、2008年の粉飾決算から、2014年までの間に、粉飾決算に関係したことのある、全ての取締役など28名の責任を追求するように求めていたはずです。

それを比較すると、3名だけの責任を追求して、それだけで終わらせようというのは、証拠を十分に持っている東芝の態度として、いかがなものかと思います。

また、現在の東芝の代表者である、室町氏の責任は追求しない、というのが、現在の東芝の姿勢のようです。

しかし、現在の社長だから責任を追求しない、というのでは、まさに、東芝という会社と取締役の特別な人間関係を理由とするものです。

全般的に見ると、今回の東芝の方針は、2200億円以上の粉飾決算という重大な違法行為を防止できなかった、歴代の取締役、監査役に対して、非常に、手ぬるい対応のように思います。

もっと厳しく追求されてしかるべきだ、と思います。