質問「株主代表訴訟とは違うのですか?」東芝粉飾事件とたたかう弁護団

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吉田 泰郎

高松の弁護士吉田泰郎です。東芝事件株主弁護団では、事務局長 兼 広報担当をおこなっています。 吉田の詳しい自己紹介ページはこちら

東芝の事件については,お問い合わせをいただく方の知的レベルがとても高いことを感じています。

弁護団としても,大変にありがたいことです。

ですので,よく,「今回の訴訟というのは,株主代表訴訟なんですか?それとも違うのですか?」という,お問い合わせをいただきます。

結論からいえば,「今回の訴訟は,株主代表訴訟ではない」ということになります。

株主代表訴訟とは,今回の場合,東芝が,事件の首謀者であった元取締役数名に対して損害賠償請求の裁判を起こすべきであるのに,起こさない,という場合に,株主が「東芝の代わりに」元取締役を訴える裁判を起こす,というものです。

株主代表訴訟の「代表」というの,「代理」という意味だと考えてください。

株主が東芝を代理する訴訟,というふうに考えていただければ,正しいです。

この場合,元取締役数名が損害賠償を支払った場合には,そのお金は東芝に対して支払われます。訴訟を起こしてがんばった株主には,お金は入らないのです。

「それでは,株主代表訴訟を起こす意味はないのでは?」

と思われるかもしれません。

ですので,今回,弁護団としては,株主代表訴訟については,態度保留にしています。

弁護団が行おうとしているのは,東芝に対する損害賠償請求訴訟です。

この場合,株主は,自分の被害を東芝に対して直接に請求するのです。この場合,訴訟に勝てば,株主は,東芝から,直接にお金を支払ってもらえます。

まとめますと,

株主代表訴訟は,①東芝を代理して株主が訴訟を起こす,②元取締役に対して訴訟を起こす,③お金は,元取締役から東芝に支払われる。

損害賠償請求訴訟は,①株主が自分のために訴訟を起こす,②東芝に対して訴訟を起こす,③お金は,東芝から株主に支払われる。

という点が違います。

ですので,株主の立場からすれば,損害賠償請求訴訟の方が有利です。