東芝の東証2部降格について

東芝が、今年の8月において、東京証券取引所の1部から2部に降格することが決まったという報道がされています。

ヤフーニュースでの「東芝2部降格」報道

2部に降格するということ自体は、すでに確定していたことです。

東芝は、2017年3月期において債務超過となることを公表していますので、少なくとも東証1部に在籍することはできないことになっていました。

ですので、今回1部から2部に降格したこと自体は、とくに目新しい問題ではありません。

2部降格により何が起こるのか

2部に降格した場合には、株価が押し下げられる可能性があります。

たとえば、いわゆる「インデックス・ファンド」という、株価指標に対応した資金運用をおこなっている機関投資家が、ルールにしたがって、東証1部から外れた会社の銘柄を売るということが予測されます。

また、東芝は、いわゆる日経平均採用銘柄(日経平均を算定するときの根拠となる銘柄)のひとつですが、東証1部から降格した場合には、日経225銘柄から外れる可能性が非常に高いです。

日経平均採用銘柄でなくなった場合には「インデックス・ファンド」から自動的に株を売却される可能性が高いと思われます。

したがって、2部降格によって東芝の株価が下がる可能性はあります。

しかしながら、では、2部降格によって、東芝が、すぐに倒産するわけではありません。

東芝には、まだ利益を上げられる事業もありますので、正しいリストラをおこない、事業を再構築して、正しく業績を上げられるようになれば、再度、1部に復帰する可能性もありますし、再度日経平均採用銘柄となれる可能性も十分にあります。

東芝事件株主弁護団のスタンスは、東芝を敵視しているわけでは全くありません。東芝が正しい方法で業績を上げて復活することを期待しています。

 

平成29年6月の訴訟の経過

【大阪訴訟】

平成29年6月2日大阪訴訟  午後1時30分から訴訟の期日がありました。

次回の予定としては、原告らから、「虚偽の記載」が存在することについて補充の主張をおこなう予定としています。

この期日において裁判所から「虚偽の記載」の判断基準について重要なことが示されました。

この点について詳しくは6月~7月にかけて発行される弁護団通信にて御連絡したいと思います。

よろしくお願いします。

次回期日  平成29年9月8日 午後1時30分

次々回期日  平成29年12月8日 午後1時30分

【高松訴訟】

平成29年6月5日  高松訴訟 午前10時から訴訟の期日がありました。

次回の予定としては、原告らから、東芝および元役員の主張に対する反論の書面を提出する予定です。

原告の反論は7月末までに提出する予定です。

次回期日 平成29年8月7日 午前10時

次々回期日 平成29年10月20日 午前10時

「東芝の闇」毎日メディアカフェに聴講してきました。

平成29年4月6日(木)午後6時30分

弁護団長の佐野は,毎日新聞社東京本社(東京都千代田区一ツ橋1丁目1番,竹橋)で開催された「東芝の闇」毎日メディアカフェに聴講に行ってまいりました。

参加者は,400名を超え,外人もおられました。しかし,一般の株主と思われる方が大多数でした。

今回は,毎日新聞経済プレミア編集長兼論説委員の今西真氏の講演でした。

丁度,東芝シリーズの第3弾「東芝消滅」が3月25日に発刊され,3月29日にWHの民事再生の申立がなされ,3月30日に臨時株主総会が行われた直後ということもあり,熱の入った講演会でした。

詳細については,佐野が詳細にメモをとりましたので,これを近々アップします。

主な内容は,書籍の内容とオーバーラップしますが,東芝の直近の動きが速いので,書籍以降のことにも触れた内容でした。 この講演会の直後に,信託銀行11社による損害賠償請求訴訟の提起が明らかにされ,また,翌日4月7日に,半導体の特許問題が発生するなど,予断が許せません。 今後も,弁護団は,東芝を巡る動きに注視していきます。

この記事の問い合わせは,南森町佐野法律特許事務所の弁護士佐野までお願いします。

電話 06-6136-1020

 

東芝株主訴訟の受付について

東芝株主集団訴訟の受付は,平成29年3月31日をもって終了しました。

しかし,昨今の事情から,訴訟をしてほしいとの要望がありますので,南森町佐野法律特許事務所は,平成29年4月24日まで,個別に受付をすることにしました。 個別の受付のため,着手金などの条件が変わりますので,当事務所にお問い合わせ下さい。

但し,当事務所が単独で受任しますので,受ける地域は,静岡,長野,富山よりも西側の方のみを対象とさせて頂きます。訴訟は,全て大阪地方裁判所で行いますので,悪しからず御了承下さい。

当事務所:電話 06-6136-1020                      弁護士佐野隆久

平成29年3月22日 大阪訴訟に出廷しました。

3月22日 午前11時より、大阪訴訟に出廷しました。

今回は、東芝および元役員らが、有価証券報告書に対する反論をおこなってきました。

内容としては、先日3月21日の東京訴訟の内容と、ほぼ同じ反論です。

次回、弁護団から再反論をおこなうということになりました。

次回期日

平成29年6月2日(金)午後1時30分  新館531号法廷

平成29年9月8日(金)午後1時30分  新館531号法廷

 

平成29年3月21日 東京訴訟に出廷しました。

3月21日 午後3時より、東京訴訟に出廷しました。

今回は、東芝および元役員らが、有価証券報告書に対する反論をおこなってきましたので、

この反論に対して、次回、当方がどのように対応するのか、を検討しました。

次回には、一度、今までの主張を整理し、より詳しく主張するものと、そうでないものを区分けしたほうがよいか、と考えています。

東芝の「債務超過」との報道について

最近の報道では,

「東芝が3月末に債務超過となるようだ」

という観測がされています。

たしかに,債務超過となる可能性が高いのですが,ここで,

「債務超過とは倒産するということか?」

という疑問をもっている方がいましたら,

債務超過したからといって倒産するわけではない

ということを申し上げておきたいと思います。

 

債務超過というのは,あくまで,企業会計上のことです。

東芝がもっている資産(財産)

東芝の負債(借金など)

を比較すると,東芝の負債の方が多いという状態が「債務超過」ということです。

 

ですから,「債務超過」とは「現金が全くない」とか「財産がなくて,すっからかん」ということでは,全くないのです。

 

現金や預金,短期の売掛金のような,すぐに現金化して使うことのできる資産のことを

「流動資産」

といいます。

東芝は2016年11月時点で公表した2016年第2四半期決算で

流動資産を2兆9607億円持っています。

https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/library/er/er2016/q2/ter2016q2.pdf

 

約3兆円くらいの現金預金などをもっているわけです。

 

3兆円持ってて,すぐにつぶれるような会社はありません。

 

もちろん,銀行からの借金も数兆円単位なので,財務状況が良い状態では全くないのですが,すぐに倒産するような状態ではありません。

 

 

実際,債務超過であっても,東芝は3月も社員に給料を支払う予定ですし,4月にも社員に給料を支払う予定です。

 

誰も「4月の給料が出ないのではないか?」という心配はしていません。

 

また,東芝は半導体事業を売却することによって,5月ころには約2兆円程度の現金を取得できる見込みとのことです。

 

半導体事業を予定どおりに売却できれば,債務超過でもなくなりますから,倒産のおそれも当面はなくなります。

 

遠い将来はわかりませんが,少なくとも,5月や6月に倒産するようなことはないとはいえるでしょう。

新規募集の終了時期

東芝事件株主弁護団は、平成27年8月ころから活動を開始して、

東芝の不正会計による被害救済のために、原告を募集していました。

このたび、平成29年3月末までに正式申込のある方を最後に原告の新規募集を終了とします。

これにともない、郵送での資料請求の締め切りも3月15日までとします。

不正会計による被害を受けた方は、早めに申込をお願いします。

東証二部降格による影響について

東芝が東京証券取引所の一部上場から二部上場に降格される可能性が高いのではないか、という報道がされています。

このため、弁護団にも、二部に降格された場合に訴訟は、どのような影響があるのか、というご質問をいただきましたので、この点について弁護団の見解をお伝えします。

 

結論から申しますと、東芝が二部降格となった場合であっても、現在おこなっている損害賠償請求には影響はありません。

したがって、二部降格となった後であっても、現在おこなっている損害賠償の裁判は今までどおり続行します。

 

二部降格によって予測される影響

さて、弁護団がおこなっている裁判には影響はないということはお伝えしましたが、東芝にとっての影響というものは当然発生します。

二部降格にしたことによって東芝には、以下の影響が出る可能性があります。

1 ファンドが東芝株を売却することにより株価が下がる可能性がある。

2 東芝にお金を貸している銀行の態度が冷たくなる可能性がある。

3 東芝の社債の格付けが下がる可能性がある。

 

いずれも東芝にとって良いか悪いかというと、悪い影響の可能性だと思われます。

ただ、東芝は半導体部門を分社化して事業を売却する方針を固めているとのことです。

半導体部門には1・5兆円から2兆円の価値があるということは広く認識されています。

したがって、半導体部門を売却することによって財務体質は改善しますので、「現在のところは」深刻な財政危機ではないと思われます。

 

むしろ、今後、中国での東芝の原発の稼働の問題や、アメリカでの原発事業について追加的な負担が発生しないかどうか、という、「これから」の問題の方がより大きな問題であるようには思います。